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今日から98年前の3月16日、小野田商店が創業しました


開業当時の小野田商店(昭和20年に戦火により焼失)

小野田商店は今から98年前、大正13年に創業しました。

この前年には関東大震災があり、日本は復興に向かう中で新しい何かを始めようと、様々な団体、施設が設立、イベントがスタートなどし、今もその多くが継続しています。

例えば、京都の南西、天王山の麓にて現サントリーの山崎ウィスキー工場が稼働し始めたのもこの年です。また震災で壊滅した東京の鉄道網に代わる新しいインフラとして 市営バス(現東京都営バス)が運行を開始しました。

さらに、上野の動物園が宮内省の管轄から東京に下賜されて今の恩賜上野動物園として開園したのも、日比谷野外音楽堂で日本初のボクシングタイトルマッチが開催されたのも、この年でした。

「貫目氷」の名に残る尺貫法


さて、上記の写真は「三貫目」と職人たちに呼ばれるサイズの氷です。

この氷の重さは約 11.25㎏で、三貫目なので一貫目は3.75㎏ということになります。

この「貫」という重さの単位は、 「尺貫法」という単位系に基づく単位で、そのルーツは昔の穴が開いていた貨幣に紐を貫きまとめた時の、ひとまとまりの重さに由来します。

寿司を一貫、二貫…と数えることがあるのも、ちょうど職人が寿司を握るときはシャリに一貫ほどの重さを加えるイメージで握るように指導されたことが由来とされます。

小野田商店が創業した大正13年は 、尺貫法を廃止しメートル法に一本化する「度量衡法改正法」が施行され、あらゆる表記が貫、匁などからメートル、キログラムなどへ変わっていった年でもあります。例えるなら、現代日本において今のメートル法がいきなりヤード法に切り替えるような大きな変化。デジタル社会の現代ではエンジニアが卒倒しそうですが、当時としてもかなりの混乱を招いたようであり、結局官庁向けには10年、一般向けには20年の猶予が設けられました。

しかしその後も、貫目という単位は氷業界の共通認識として生き残るなど、尺貫法に由来する言葉や単位は今も必要に応じて生き延びているようです。

小野田の超純氷®は100年続くアイス缶製法


創業当時から今日まで、誰にも等しく激動の時代でしたが、もちろん当社にとっても同様です。「氷が欲しければ買う」という時代から、今日ではご家庭でも簡単に氷が作られるようになりました。

創業当時は「生活必需品」だった純氷は、ある意味「贅沢品」に変化したことになります。この先、社会がどのように変化していくのか、我々も正確に予想することはできません。

どんな時代になろうとも、小野田商店は、『小野田の超純氷®』は、変化していく社会に対して、揺るがない技術で時代のニーズに応えます。またその時代に合わせた品質、製品の実現の為に変化し、日々チャレンジを続けています。

しかし、100年続く伝統のアイス缶製法は変わりません。アイス缶製法で、また結氷まで60時間以上かける丁寧な氷造りが、「小野田の超純氷®」の原点であり、最高の氷を造る最適の方法だと信じているからです。

間近に迫る100周年という節目に向け、小野田商店はこれからも「熱心に、誠実に」進んでいきます。

末尾ながら、これほど長く事業を続けられたのは、ひとえに支えて続けていただいている皆様のおかげです。長きにわたるご愛顧に対し、心より敬意と感謝を申し上げます。

99年目の小野田商店も、どうかよろしくお願いいたします。