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日本代表おめでとうございます!


2022FIFAカタールワールドカップにて日本代表チームがドイツ、スペイン相手に歴史的な勝利を納めました。

特にドイツは過去4回も優勝したことのある強豪。


しかし日本は前半こそドイツに後れを取ったものの、後半からは驚異の逆転勝ちを見せてくれました。


あまり明るいニュースのなかったこの頃の日本に大きな喜びと勇気を与えてくれた一報でした。

さてこの開催地のカタール、耳にはしても、どんな国なのかイメージが湧かない国だと思う方も多いのではないでしょうか?


カタールは中東のアラビア半島北東部の国で、天然ガスや石油などの化石燃料が豊富な国であり、それが産業の中心となっています。

サッカーが非常に盛んな国であるため、オイルマネーで数多くの選手を獲得していることでも人気を集めています。

また、国内のほとんどが平地な砂漠であることが特徴で、どこまでも砂の海が続く光景をみることができます。

また芸術性が高く、非常に美しく精密な昆虫切手を1998年に発行しており、不毛な砂漠に見える国でも経済も生命も活発な国あるといえるでしょう。

アラビアならではの氷スイーツとは?


ファールーデ」はイラン発祥の氷菓子で、アラビア地域全体で親しまれている。

コンスターチなどで作った薄い麺状の生地と、半冷凍状態のローズシロップを合わせて食べる。

Wikipediaより:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Faloodeh1.jpg 作者:Rka11111様 ライセンス:CC 表示-継承 3.0

さて、実はカタールなどアラビア半島には独特の氷スイーツが発展していることはご存知でしょうか?実は中東地域では古来から上流階級の間や祝い事などでは冷たい氷のスイーツが楽しまれています。

中東の氷スイーツの特徴は「サフラン」や「ローズシロップ」を味付けに使うことが多いことです。


「スイーツにサフラン?」というと疑問の声が上がりそうですが、実は中東では食料の保存や香り付けにスパイスは無くてはならないものであり、

ときにはラクダやヤギなどやや匂いの強い肉の調理が必要だった中東地域では、スパイスはあらゆるものの調理に使われます。

また、ローズシロップというのもあまり聞き馴染みがないですが、砂糖とバラを煮詰めて作ったもので、近年ではパンケーキの付け合わせなどの形で日本にも入っています。

その上品な香りから中東では古くから親しまれてきました。

また近ごろ流行のピスタチオですが、中東のアイスクリームなどには、昔からトッピングとして用いられることが多いようです。

ピスタチオは中東(特にイラン)ではお茶請けなどに出てこないことのほうが珍しいとされる、欠かせない国民食でもあります。

「そんな暑い地域でどうやって氷を調達しているの?」と疑問の声も上がりそうですが、実はアラビア半島に近いイランやトルコには標高の高い山岳地域があり、冬季には降雪もあります。

こうした地域で採取された雪氷は「ヤフチャール」と呼ばれる気化熱を利用した氷室で保存され、年中を通して利用されています。

イラン メイボドのヤフ・チャール外観とドーム内部 Wikipediaより:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:20110102_Ice_House_(exterior)_Meybod_Iran.jpg https://commons.wikimedia.org/wiki/File:20110102_Ice_House_(interior)_Meybod_Iran.jpg 作者:User:Ggia様 ライセンス:CC 表示-継承 3.0

これらの中東の氷スイーツの発展にはあのアレキサンダー大王の遠征が関係していたりするのですがそれについてはこちらの記事でも解説しています。

参考文献:田口哲也.氷の文化史「人と氷とのふれあいの歴史」.冷凍食品新聞社.1994.