• 投稿者:
  • 投稿カテゴリー:コラム

災害対策・防災にも欠かせない氷


今も昔も災害の絶えない日本、平時における日々の備えが肝心なことは間違いないですが、そうはいっても充分といえる量の災害備蓄品を常に持ち出せる形でキープしておくのは中々大変です。

中でも、飲料水は高カロリービスケットや缶詰、フリーズドライ食品のように小さくしておけないものであるにもかかわらず、一般的に一日当たり1人2〜3ℓあたりの接取が目安とされています。しかし被災した地域では上下水道が断絶してしまっているケースも多く、そうなると十分に衛生的といえる水の確保が難しくなります。

しかし、手に入る生水 を手当たり次第に飲むの危険行為。井戸水や湧き水は一見衛生的に見えても目には見えない汚染物質がある可能性があり、煮沸が必須となります。しかし、充分な量の飲み水を煮沸するのはなかなか手間のかかる作業な上に、原水の量よりはどうしても蒸散して少なくなってしまいます。

そこで便利なのが氷の活用です。袋詰めの氷を買い込んでおくか、水道水を常日頃から凍らせて製氷機を満たしておけば、被災時には停電しているときに保冷剤、融ければ飲料水として活用できます。水道水をそのまま使うだけでも問題ありませんが、初めから袋詰めの氷を買っておけば保冷剤にしやすい上に、持ち運びも容易です。

災害時における氷の活用法


災害時には氷も勿論ですが、クーラーボックスの存在が何より重要になります。クーラーボックスはそのまま冷えた物を入れておくだけでもある程度の保冷効果を持ちますが、氷をいれておけば簡易冷蔵庫として使うことができます。

この際、裸の氷を使うと当然氷が融けるにつれ食材が濡れてしまうので、ワイヤ-ラックやカゴ等をボックス内に入れて、その上に食材を置いておくことがおすすめです。ボックスに氷を入れるときは、一番下に5~6㎝程の高さに冷却層として 敷き詰めておくのがおすすめです。

勿論、袋詰めの氷なら、そのままボックスの一番下に入れておくと簡単ですが、その際も結露などが食材に付着するリスクがあるので、やはりワイヤーラックなどで食材に直接触れないようにしておいた方が良いでしょう。

また、このセッティングの際には氷の交換補充の際の利便性も考慮し、ボックスの1/3程に区切ってラック、カゴなど仕切りをセットすれば、クーラーボックスの中身を全部出さずに、仕切りだけを外して氷を補充することができます。

また、普通の冷蔵庫と同様、開け閉めが多ければ多いほどボックス内の温度があがり、保冷効果は 薄まってしまいます。

よってよく取り出すであろう飲料などをフタに近い方に、生鮮食品などを氷に近い方にいれておけば 、より賢く使えます。

電気が止まっていれば腐らせるのを待つしかない生鮮食品をある程度、保存、持ち運びできるようにしておければ、その後の保存食が切れるまでの時間を先延ばしできますし、何よりもそういった状況下で新鮮な食べ物を食べることができれば、気分のリフレッシュになります。

ぜひ、防災バックの横にクーラーボックスを置いてみるのもいかかがでしょうか?

氷で怪我への対処


災害時には怪我がつきものですが、軽傷であるならば氷は様々な活用ができます。打撲等があった場合は氷を押し当てることであざを防止できます。これは患部の毛細血管が閉じ、内出血を防げる効果が期待できるからです。

また、指やつま先にトゲやクギが刺さってしまった場合、災害時ではそのままにしておくと破傷風などになる可能性があるので速やかに取り除く必要がありますが、それらを抜く際に周辺の皮膚に氷を数秒押し当てることにより、引き抜くときの痛みを和らげることができます。

災害時の調理にも使える氷


非常食に缶詰めやペミカン(食材をバターやラード等、動物性の脂でコーティングした保存食)がある場合、肉の大和煮などの缶詰をそのまま温めて食べたり、ペミカンを溶かしてスープなどにすると結構油っぽいものになってしまいます。

しかし、おたまに氷や雪を入れて、加熱してる汁の表面を撫でまわすように動かすことで、冷えた脂肪分がおたまに張り付き、だいぶギトギト感を抑えることができます。

おたまについた脂は周りに捨てず、ペーパータオル等でふき取りましょう。

氷は飲み水としても安全です


日本では1959年、伊勢湾台風により深刻な浸水被害があり、交通網など地域が分断され物資不足 が起こったそうです。浸水被害という字面の印象とは裏腹に実際は水不足が起こり、これは浸水による水の汚染によるものでした。浸水地域では、海水や汚水が溜り、衛生状態が悪化していました。そのため、自衛隊のヘリコプターが DDT などの殺虫剤を撒き、被災地域の消毒作業が行われました。

現・足立区保木間にて集った 伊勢湾台風の救援物資を、被災地に送り届けようとしているところ。場所は氷川神社。梱包は当時のウイスキー箱など時代を感じさせるものがある。(昭和34年9月:足立区立郷土博物館資料データベースより)


現在の足立区保木間にある氷川神社。

アメリカでも2005年、ハリケーン・カトリーナが襲来した際にも、避難所の25万人近い人々が物資の到着を待つことになり、米軍による大規模なオペレーションにより食料品、ガス、氷、砂袋等が提供されました。

北極圏の先住民、エスキモーの言葉には「アニウ」という言葉がありますが、これは「融かして水にする雪」という意味です。古くから雪と氷に包まれた土地に暮らしてきたエスキモーの人々は、水は凍れば不純物が抜けることを熟知しており、安全な氷を溶かすことによって衛生的な水を得ていました。被災時に氷は様々な利用が可能なだけでなく、浸水や痛みなどにより汚染されることのない貴重な飲料水として重要なのです。

小野田商店は墨田区災害協定に加盟しています


「自治体との防災対策に関する協定」というものがあり、これは災害時における応急対策の万全を期すため、区が他の区市町村に対し応援を求め、又は応援する場合、その事務が円滑に行われるよう、あらかじめ他区市町村と応援、手続等必要な事項についての相互応援協定を締結するものです。

これに基づき、当社は墨田区と災害時における氷の優先供給に関する協定を行っており、有事の際は災害時に区の要請に基づき、氷の優先供給を行うことになっています。

氷の供給は物資に関する協定となっていますが、氷柱の状態にある氷の場合は非常に長持ちし、冬場であれば被災してからの正念場とされる72時間をキープし、飲料水、保冷剤、医療用など、災害の様々な場面で利用することができます。

皆様に安心安全な氷を、平時のみならず非常時にも届けられるよう本社一同、常日頃から心掛けております。