ららぽーと豊洲にて、アイスカービングショーが開かれました。
小野様が披露したアイスカービング作品
先週1月22日に江東区の商業施設、ららぽーと豊洲にてアイスカービングショー2023が開催されました。
本イベントでは小野田商店の社員にも氷彫刻の指導を行なって頂いた、氷彫刻家の小野恒夫様が参加しました。
今年の干支である卯に、会場のららぽーと豊洲から望むことのできるアーバンゲートブリッジと旧石川島播磨工業のクレーンの景観をあしらった、見事な氷彫刻を披露して頂きました。
また、弊社墨田工場からは広瀬氏が、フラワーアイスカービング(フローラルアイスパフォーマンスとも)として、かねてより小野様からご教示頂いた、氷の裏側からドリルで内側に花のような模様を彫り込むタイプの氷彫刻(以下、弊社での呼称の「氷彫華」) を披露しました。
今回は昨年11月のふるさと渋谷フェスティバルに続き、多くの観客の前で弊社社員が氷彫刻を披露するイベントとなりましたが、小野様からご教示頂いた氷彫刻の技をフルに活用し、会場では多くの喝采を頂くことができました。
小野恒夫の直伝、氷彫華の技!
開催日の1/22は非常に天気が良く、14時からパフォーマンス開始だったこともあり、非常に日射が強く、氷のコンディションも良くなかったであろう状況でした。
しかし、日頃の業務より培ってきた氷の扱いと、小野様直伝の氷彫刻のコツを駆使して、ドリルで一枚一枚、花びらの模様を氷の内側へ彫り込んでいきました。
氷彫華は白い彫り込みのままでも美しいですが、染色をすることでまさに花が咲いたような輝きとなります。
複数の染色液を使い分けることで、花びらと葉の違いを表現したり、色とりどりの氷の花を咲かせることができるようになります。
実は氷彫華で一番盛り上がることが多いのは、この染色の瞬間であったりします。
こうして彫り込み、染色を終えた氷彫華ですが、そのままではすぐに裏面の彫り込みをした穴から染色液が流れ出して、あっという間に花の模様が崩れてしまうことがあります。
ここで一工夫、裏面の彫り込みをした穴に雪を詰め固めることで、後ろから染色液が流れ出るのを防ぎます。
このひと手間で、作品の持続時間を大きく延ばすことができます。
これで氷彫華を完成とする場合もありますが、今回はさらに表面にも彫り込みを入れることで、さながら花を包み込むキャンバスのように氷を美しく仕立てました。
この表面への彫り込みは、デザインの幅を広げるだけでなく、氷の屈折面を増やすことで、光の反射を増やし、また中の花の模様の見え方にも変化を付けることができます。
最後の仕上げとして、氷の表面にアイロンがけをします。
これにより、表面の曇りや小さな凹凸を取り除き、より氷の透明度を高め、輝きに磨きをかけることができます。
今回のパフォーマンスは、小野様から伝授して頂いたこれら全ての氷彫華のコツを駆使したものとなりました。
これだけ意匠を凝らして作成した氷彫華ですが、今回のように日差しの極めて強い環境下では、すぐに細かなヒビなどが入って、透明度が損なわれたり、染料が抜けていってしまうことがあります。
しかし、リアルタイムで変化していく作品ならではのライブ感、環境によって製作条件が大きく変化し、再現性のない作品が生まれることも、アイスカービングショーの大きな魅力の一つです。
完成した瞬間から作品が壊れていくという、その様子はどこか本物の花にも通じる部分があり、その一瞬の輝きも大きな魅力の一つです。
最初に弊社社員たちが、小野様から氷彫刻のレクチャーを受けてから早半年以上立ちます。
そして、日々製氷業に携わる傍ら練習を重ねてきた成果を、こうして小野様の作品と並べる形で披露できたことは大変光栄なことです。
まだ小野様の作品ような、大型の氷彫刻の製作事例はないのですが、今後とも弊社社員一同、それぞれが氷のプロフェッショナルとして、日々研鑽を積んでいきます。