氷の臭いの原因とは?
家庭で作った氷が「なんだか臭う」と感じたことはありませんか?
実はその原因には、大きく分けて2つの理由があります。
綺麗に掃除された製氷皿を使っても、凍結時に周囲の臭いを取り込んでしまう。
・1つ目は冷蔵庫内の臭いが氷に移ってしまうこと。
冷蔵庫には様々な食材が入っていて、それらの臭いが混ざり合って庫内に充満します。氷の原料である水は、周囲の臭いを吸収しやすいため、知らぬ間に氷が臭いをまとってしまうのです。
・2つ目は水道水自体に含まれる成分が原因となるケースです。
日本の水道水には、消毒のためのカルキ(塩素)が含まれており、これが氷の雑味や独特の臭いのもとになります。また、水に含まれるミネラル成分も、氷になると雑味や白濁の原因になってしまいます。
つまり、「冷蔵庫の環境」と「使う水の質」が、氷の臭いに大きく関わっているのです。
氷の臭いの対策
では、どうすれば臭いの少ない、すっきりとした氷が作れるのでしょうか?
対策は大きく分けて、次の3つです。
1. 冷蔵庫の臭い対策
食品の臭いが氷に移らないよう、冷蔵庫内を定期的に掃除し、食品もラップや密閉容器でしっかり包みましょう。とくに製氷室はカビが発生しやすい場所なので注意が必要です。
2. 水の選び方を変える
カルキ臭や雑味が気になる場合は、ミネラル分が少ない軟水のミネラルウォーターを使うのも一つの方法です。ただし、カルキが入っていない水は雑菌が繁殖しやすいため、氷は必要な分だけ作り、なるべく早く使い切るようにしましょう。
3. 専用の製氷機を使う
におい移りを避けたい方や、飲み物の味にこだわりたい方には、家庭用の小型製氷機を使うのもおすすめです。冷蔵庫とは別の場所で製氷できるため、臭い移りを防ぎやすく、透明度の高い氷も作れます。
ちなみに、レモン果汁を少し加えるだけでも、カルキ臭を和らげる効果があるので、気軽に試してみるのもよいでしょう。

飲食店でよくみられる、ウォーターピッチャーの中のレモンは水のカルキ臭を消す知恵です。
また手間をかけずに、確実においしい氷を使いたい場合は、市販の氷を買うというのも賢い選択です。
衛生面がしっかりしており、保存も安心。意外とコスパも悪くありません。
袋詰め氷は小野田の超純氷®がおすすめ!
近年、製氷機は省エネ性能が向上していますが、場合によっては製氷機を購入・リースするよりも袋詰め氷を購入した方がコストを抑えられることがあります。
家庭用製氷機なら2万円前後で購入可能ですが、業務用は新品で10万円を超えるものも多く、リースでも月額2,000円程度かかります。さらに製氷には電気代も必要です(性能向上で以前よりは低下傾向にあります)。

製氷機と袋詰め氷、それぞれメリットとは?
ランニングコスト自体は袋詰め氷より安いものの、掃除の手間や水道水しか使えない点を考えると、ドリンクの質にこだわる店舗では袋詰め氷を選ぶのも堅実な判断といえます。
また、業務用製氷機よりも袋詰め氷用ストッカーの方が省スペースで、小規模店舗にはメリットがあります。
一方、スーパーや病院など冷却目的が中心の施設では製氷機の氷が適しており、大型飲食店のように大量の氷を必要とする場合も製氷機の方が安定供給につながります。
このように、製氷機と袋詰め氷にはそれぞれ利点があり、店舗の規模や用途に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

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【詳しく知りたい方向け】氷が臭う科学的理由
家庭で作った氷が「臭う」理由には、物理的性質・化学反応・微生物の活動といった、いくつかの背景があります。
ここではその詳細を、少し掘り下げて見ていきましょう。
1. 氷は「臭いを吸いやすい物質」だから
氷はただの固体ではなく、水が結晶化したもので、構造的に隙間(クラスター)があります。この微細な空間が、空気中の臭い成分(揮発性有機化合物=VOC)を吸着しやすくしているのです。
さらに、氷のもとである水自体も非常に優れた「溶媒」です。水は極性分子(+と-の電荷を持つ)であるため、他の極性物質…つまり臭いの成分を非常によく溶かします。このため、冷蔵庫内の臭気が、水や氷に移りやすくなります。
2. カルキと不純物の化学反応
水道水に含まれる「カルキ(次亜塩素酸カルシウム、Ca(ClO)₂)」は、殺菌目的で添加されていますが、これが臭いの元凶になることがあります。
特に問題なのは、フェノール類(C₆H₅OH)という微量不純物とカルキが反応し、クロロフェノール類(例:2,6-ジクロロフェノール)という強い臭い物質を生成してしまう点です。
さらに、氷のもとである水自体も非常に優れた「溶媒」です。水は極性分子(+と-の電荷を持つ)であるため、他の極性物質…つまり臭いの成分を非常によく溶かします。このため、冷蔵庫内の臭気が、水や氷に移りやすくなります。

水道水のカルキ臭の原因は、塩素とフェノールが結びついてできる「クロロフェノール」の存在が大きい。
この2,6-ジクロロフェノールの嗅覚閾値はわずか0.1ppb(0.0000001%)程度で、極めて微量でも人が「臭い」と感じてしまいます。しかも冷やすことで臭いの揮発性が下がるため、氷になってからの方が「取れにくくなる」傾向にあります。
3. カビの繁殖と代謝副産物
冷蔵庫内では低温にも関わらず、カビ(真菌)が生存・繁殖できる環境があります。特に湿度60%以上、温度0~10℃程度でも生きられる種類も多く、結露や野菜の水分などで十分繁殖可能です。
カビが代謝によって作り出す揮発性代謝産物(MVOCs:Microbial Volatile Organic Compounds)には、いわゆるカビ臭さの原因であるアルコール類・エステル・ケトン類が含まれており、これらも氷に移ってしまいます。
また、冷蔵庫の吸気口や製氷皿周辺にカビが繁殖すると、空気循環とともに氷へと臭い成分が接触することになります。
4. ミネラルと氷の濁り・雑味
水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分は、凍る際に均一に結晶化できず、氷の中心に白く濁った部分や、雑味の元となる粒子として残ります。
また、硬水(ミネラル分が多い水)は、氷として凍ったときに苦味・渋み・金属的な風味が出やすくなるため、透明で雑味の少ない氷を作るには、硬度の低い軟水(Hardness < 60mg/L)を使うことが重要です。
5. 氷の腐敗と保存リスク

氷に賞味期限はないが…腐らないとは限らない?
「氷は腐らない」と思われがちですが、原料水に微生物が含まれていた場合や、氷の表面が不衛生だった場合には、氷の表面に菌が残り、再凍結後に活動する可能性もあります。
特に、カルキを抜いた水やミネラルウォーターで作った氷は、保存中に雑菌が繁殖するリスクが上がります。そのため、これらの氷は「早めに使い切る」ことが重要です。
まとめ
氷が臭う原因には、以下のような科学的メカニズムがあります。
- 水と氷は臭いを吸着しやすい性質がある
- カルキと水中の不純物が反応し、強烈な臭い物質を生む
- 冷蔵庫内のカビが臭気物質を放出する
- ミネラルが雑味・濁りの元になる
- 保存状態によって氷の劣化や腐敗もあり得る
「氷=無味無臭で安全」と思われがちですが、実は水質管理・冷蔵庫環境・製氷法のどれか一つでも崩れると、あっという間に「臭う氷」ができてしまうのです。



